23・相容れないモノ
朝キスをするのは
「まずい」
べろっと舌を出して(洒落じゃなく)無理やりに押し返す。
「・・・歯磨いたんですけど。。」
ああ、うるさい。
ご期待に沿うような対応が出来なくてごめんあそばせ。
朝っぱらからあっはんうふん言うような女が何処の世界にいるんだっつの。。ばーか、かーば・・
私の口に出してない悪口に気づいたのか、不機嫌そうな顔になる。
「なんだよ・・」
舌打ちが聞こえる。知るか。
眠たいんだってばー。こんな下らない時間を私に与えないでほしい。
そりゃいーよ。君はまだ学生だし。まあ医大生は大変だろうけど、でもさあ。
やっぱり学生は学生なもんだから、ワタシノキモチハワカラナイ。
頭が痛い。
肩がだるい。
こんなのはたいしたことじゃなくて、でもいつも続いてて、それがやなんだ。
そもそも。雰囲気にそぐわないことは好きじゃない。
−ここはのオーシャンビューのスィートルームでもないし。(連れてきてくれたことなんてないけど)
だいたい、いつまでもダラダラ居つかれるのも好きじゃない。
−人ん家で徹ファミすんなっつーの。(プレ2くらい買えばいいでしょう!!)
必要な時に必要なものを必要なだけ。
それでいーのに。
TOYOTAの生産ラインみたく、うまく需要と供給のバランスを保てる男は少ない。
まぁ・・・断言できるほど、経験豊富でもないけれども。
どうだろう、母集団に対して標本が少なすぎるので信憑性を問われれば困るが、
3人中3人のこの実績。私がよほど運が悪いのでなければ、大きな間違いでもないんだろう。
「朝はホント機嫌悪いね」
溜息交じりの皮肉。
じゃあ、帰ればいいのに。
昼間だったら死んでも口には出さないけど、今は何かの拍子で口から吐き出しそうなこの悪意。
瞬間的な感情こそ抑えるのは大変だと思う。
コトン。
柔らかな湯気が鼻先に当たる。
「飲む?」
(朝は豆乳がいいんだけど)
言わないで、カップを引き寄せる。
一生かかっても分かり合えない。
それだけは分かる。
ああ、もし朝が永遠に続くのならば、どんな関係だって切って捨ててしまうだろう。
「に がーい」
気を抜いて書いてみると楽にかけるもんだなあ、と思いました。
めちゃめちゃ短いなあ・・。